Lonely T-shirt

前コレクションから約半年が過ぎ、昨年の末に2017ssのコレクションの発表があった。
前にも紹介した「isita.」を改めて紹介していく。


井下 恭介(isita. デザイナー)

 http://instagram.com/kyosuke_ishita

 

1995年、日本(熊本)出身

 

現在はNYに在住しAlexander WangやMarc Jacobsなどを輩出したParsons School of Designに通う21歳。


19歳の時に父を亡くし、死から多くのインスピレーション受け「死を纏う」をブランドコンセプトとし、2016年から"isita."を手がけ、作品を制作している。


今回のコレクション「Dreams and reality of Child soldiers」〜少年兵達の夢と現実〜の一つ【Loneley T-shirt】について書いていきたいと思う。

 

ショップはこちら⬇︎
https://isita.thebase.in/

 

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一見どこにでも売ってありそうなこのシャツだが、一枚に込められたデザイナーの思いと背景は唯一無二でもあり遍在するものでもあった。


黒いベースに表裏にプリント

表:I'm lonely
裏:I'm not lonely

 

が施されたシンプルなデザインになり

 

「本当は素直に”寂しい”と言いたいはずなのに、それを言う事ができず"寂しくなんてない"と、強がる現代のティーンの心情が描かれている」
という。

 

表裏の着方で"服"を着るというより、その者の意思や思いを"纏う"といったところだろうか。

 

 

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次にデザイナーがTシャツを作成する際に着想を得た写真のポートフォリオを見ていただきたい。

 

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https://instagram.com/p/BQ1pDgQAEE6/

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https://instagram.com/p/BQ17iXhgb1H/

 

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https://instagram.com/p/BQ2R9MYAMYo/

それぞれ孤独や同性愛、戦争など、昔から現代にいたって私たちが抱える闇や問題などからインスピレーションを受けたという。

 

 

 本来の自分の姿。見てもらいたい本当の姿。本当の自分の思い。

 

対して、周りや世間の目、環境や力などからさらけ出せない偽りの自分。誇張。素直になれない自分。

 

今を生きる若者や現代に対し訴えかけ、また自らがその問題に立ち向かう事で、その多くの素直になれない凝り固まった世の中を壊し、導いていくデザイナーの意思を感じる。

 

 

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このLonely T-shirtの背景を知ることで、私も考えさせられることがあった。

 

素直に生きれず、狭くて暗い世の中はなぜ生まれるのか。

 

「愛の反対は憎しみではなく無関心である」

 

マザー・テレサの言葉である。

 

無関心である人が増えるほど、この世界から愛が枯渇し息のしづらい世界になる。

 

人にどう見られているのか、また周りがどう思っているのか。

 

いいねの数がどうとか、あいつがどうとか。

 

みんな自分に気づいてもらいたいし、他人の評価が気になる。

 

表面的な部分しか見ず、ニュースや周りに聞いたりしたことしか鵜呑みにせず、本質や中身、背景を知ろうとしないことが結局は無関心であり、生き苦しくさせているのではないかと。

 

また、偽り続けなければ生きていけなくなる。

 

その偽りを生み出しているのが少なからず私たちにも原因があると思う。

 

見た目で判断したり、世の中の流れだけを信じるのではなく、その者の背景であったり、今回のLonely T-shirtであれば、デザイナーがTシャツに込めた思い出あったりを知ろうとすることでもっと本来の姿を見ることができるとも思う。

 

無関心であり続けることは簡単だが、関心をもっと持つことで結果的に愛が生まれるのだと思う。

 

だからもっと、そのものの背景、思いを見ていこうと思った。

 

なんてことを私はこのLonely T-shirtから考えさせられた。

 

私ごとではあるが、たくさんの背景や、存在する意味を考えさせるこの一枚のTシャツ、デザイナーの持つパワーは強く、また美しくもある。

 

毎日の生活や環境に押しつぶされそうになっても彼の作品から勇気や希望をもらえる

 

そんな気がしてやまない。

 

またこの彼の作品からそういったパワーを与えられる人が少なからず増えることを願いたい。

 

 デザイナーの体験した、愛する人の死による絶望や悲しみ、苦しみを自身が生きる為の光であるものが、私たちを照らし続ける小さな光となってきている。

 

私は、その小さな光をこれからも信じていきたい。

 

 

 

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